岩見隆夫
岩見隆夫 名言・語録10件
(政治評論家)
「政治に必要なのは、言葉と想像力と、ほんの少しのお金」
「言葉の衰退は、民族、社会、国家の先細りにつながると思えて仕方ない。なかでも『言論の府』であるはずの政治の場において、衰退傾向が著しいのだ」
「政治家が語る言葉に迫力がない、感動がない、説得力にも乏しい、と気づきはじめてから相当の時間がたっている。『雄弁家』などという単語もたえて聞くことがなくなった」
「かつてはそうではない。寸鉄人を刺す演説が国会の壇上からしばしば繰りだされた。推こうに推こうを重ねたと思われる名調子も聞くことができた」
「『誰が雄弁か』がいつも話題になり、雄弁家はだれよりも尊敬を集めたものだ」
「演説だけではない。短い日常のやりとり、ヤジ一つのなかにも、言葉の工夫が凝らされていた。そうした努力が政治を活性化し、政治と国民の間を縮めていたのである」
「雄弁家の一人だった三木武夫元首相から聞いた話だが、昔は一回演説するごとに聴衆の反応を確かめながら、草稿を手直ししていったという」
「国会の演説も、質問も、草稿をほとんど丸暗記するくらい練習し、顔を上げ、議場を見渡しながらぶつから、力がこもった。いまは例外なく草稿の棒読みである。熱も入りにくい」
「衰退の最大の原因は、政治家の言論軽視である。言ったことは必ず実行する、という気概がいつのまにか乏しくなった」
「言質をとられることを好まない。だから、適当であいまいな表現になってしまう。『寸鉄』など入り込む余地はないのだ」
【出典】
『政治に必要なのは、言葉と想像力と、ほんの少しのお金』
【感想・論評・補足】
岩見の著書『政治に必要なのは、言葉と想像力と、ほんの少しのお金』を読むと、今と違って昔の政治家が、いかに言葉を大切にしていたかが分かる
経歴(プロフィール)
■岩見隆夫(いわみ・たかお)
【1935年~2014年】日本のジャーナリスト、政治評論家。毎日新聞論説委員。毎日新聞特別顧問。1935年10月6日、関東州(現中国)の大連で生まれ、山口県防府市で育つ。京都大学法学部卒業