佐々淳行
佐々淳行 名言・語録19件
(初代内閣安全保障室長)
「個人の危機管理能力には限度がある」
「複雑多岐な現代社会にあっては、いかにスーパーマンであっても体は一つ、時間は有限だから、一人であらゆる分野の問題についての専門家になることは不可能だ」
「しかし、自分一人ではどうにもならないことでも、日頃からしっかりと開拓しておいた人脈をたどり、当面の問題解決に役立つ力量のある人々を味方にして、その人たちの協力を得ることができれば、局面打開の可能性も生まれてくるものだ」
「だから、人を多く知っておくということは、開運につながることがある」
「とくに、せっぱつまった危機的な状況下にあるとき、この日頃の面識率の高さに偶然の『運のよさ』が加わり、まさに『地獄に仏』ともいえるような好運の邂逅によって活路を見出すことができる場合もある」
「トップは口を閉じ、耳を開け」
「言葉は戦いの武器でもあり、また逆に平和を回復する手段にもなる」
「危機に陥り、苦境に立ったとき『人の心の奥ぞ知られる』で、それは自分の人間的成長にとって、誠に得がたい教訓であり、本物と、偽者の友を見わける絶好のチャンスでもある」
「『権力』には中毒作用がある。人間は一度『権力』を握るとひとが変ってしまう。稀に良く変る人もいるが、悪く変る方が多い」
「どんなにすぐれた指導者といえども、数多い危機管理の闘いにおいて、常に勝利者となることはできないのである」
「まして、主義・主張や、政治的信念、使命感などをシッカリ持っている指導者ほど、闘わざるを得ず、そして負けることもあるのだ」
「情報は上から漏れる」
「往々にして重要な情報は、トップをはじめ首脳陣から漏れる」
「事案を直接担当している幹部から漏れることはまずないといってよい。なぜなら漏れた場合、一番困るのは担当者自身だからだ」
「首脳部に報告するときは、なぜ口外してはいけないかという理由を附して、敢えて口止めをし、かつ、さらに上部に報告するときも口止めをして下さいと依頼しておかないと、案外、上の方から気楽に漏れてしまうものだ」
「情報は家族・秘書などから漏れる」
「トイレや車は密室ではない」
「雄弁が戦いを起こし、国を滅ぼすこともあれば、賢い沈黙が人を救うこともある」
「説得力のある誠意あふれる説明が、紛争を解決することもあれば、舌禍が大乱
を招くこともある」
【出典一覧】
『危機管理のノウハウPART2』
『危機管理のノウハウPART3』
【感想・論評・補足】
後藤田警察庁長官の懐刀と呼ばれ、中曽根内閣で初代の内閣官房内閣安全保障室長を務めた佐々淳行は日本の危機管理のパイオニアである。平和ボケした日本に危機管理の重要性、ノウハウを多くの書籍、言論活動で残してくれたことは大きな功績といえよう
経歴(プロフィール)
■佐々淳行(さっさ・あつゆき)
【1930年~2018年】日本の警察・防衛官僚。初代の内閣官房内閣安全保障室長(兼総理府安全保障室長)。危機管理評論家。1930年12月11日、熊本県出身の政治学者で、後に参議院議員を務めた佐々弘雄の次男として、東京市麻布区(現・東京都港区)に生まれる。戦国武将・佐々成政の末裔の家系でもある。東京大学法学部政治学科卒業