名言・語録・格言

このサイトは人類の叡智の結集である。 知りたい人の名言・語録があれば検索ボックスに人名を入れて下さい。名言・語録は391冊の本や社史、雑誌などから抽出したもので、出典元は最後に記しております。出典元のはっきりしない名言・語録は記載しておりません【302名 2456件の名言・語録を収録(2023年1月27日現在)】

佐藤優

佐藤優 名言・語録10

(作家)

 

 

「国家が領土を金で買うというのはありえない」

 

 

「金で領土を売る国家は、かならず崩壊します。領土問題は金の問題ではないのです」

 

 

「日本政府の立場は四島返還ですが、国会決議では『四島等』となるのは日本共産党対策があるからです。日本の政党のなかで、共産党だけが北方四島だけでなく『全千島22島』の返還を要求しています」

 

 

「ところが、戦後50年決議のときは、国会は『四島等』を要求する声明になっていますが、じつはロシアに対して日本政府は『四島返還』だけを求めるということで、『等』は入っていないのです。つまり、政府の要求が『四島返還』であることがはっきりする文面になるように工夫しました」

 

 

「ところがこのことが、2005年の『戦後60年決議』については、ロシアとの関係において大問題になりました。『等の』という言葉を使って『日本は領土要求を増やしているのではないか』と邪推されたのです」

 

 

「文章のできが悪いからこういうことになるのです。このあたりが日本の外交の基礎体力が低下している顕著な例です」

 

 

「この文章でも議会としての共産党対策をする一方、日本政府としては『四島の帰属問題を解決すれば平和条約が締結できる』とすべきだった」

 

 

「重要なのは、森さんとプーチンさんが著名した『イルクーツク声明』では、『東京宣言』を認めたうえで、択捉島国後島色丹島歯舞群島の名称をあげて、この四島が係争地だということを認めているという点です」

 

 

歯舞群島色丹島の二島はもう日本に返すので、具体的な話をします。残りの国後島択捉島の二島の帰属について話をしましょうということですから、2001年の春が、北方領土が日本にいちばん近づいたときなのです」

 

 

「一般的に、役人が総理大臣のところに持っていく文書はA4判一枚です。総理大臣の時間を10分とるのはたいへんなことですから」

 

 

【出典】

北方領土特命交渉』

 

 

【感想・論評・補足】

佐藤優は不運にも外交官を辞めざるを得なくなり、作家に転身した。しかし数々の賞を受賞し外交官出身の作家としては最も成功した人物といえよう。ノンキャリアの外交官であったが、圧倒的なインプット量は知識の上でキャリア官僚を凌駕する知の巨人である。特に哲学、宗教に造詣が深い。あのフィレンツェ共和国の外交官だったマキャベリノンキャリアだ。佐藤優も日本のマキャベリ的存在になることを期待したい  

 

 

 

経歴(プロフィール)

佐藤優(さとう・まさる)

日本の外交官、作家。在ロシア日本国大使館三等書記官、外務省国際情報局分析第一課主任分析官、外務省大臣官房総務課課長補佐を歴任。同志社大学神学部客員教授1960118日、東京都で生まれる