名言・語録・格言

このサイトは人類の叡智の結集である。 知りたい人の名言・語録があれば検索ボックスに人名を入れて下さい。名言・語録は391冊の本や社史、雑誌などから抽出したもので、出典元は最後に記しております。出典元のはっきりしない名言・語録は記載しておりません【302名 2456件の名言・語録を収録(2023年1月27日現在)】

安田善次郎

安田善次郎 名言・語録10

安田財閥創始者

 

 

「意志の強固、すなわち克己心の養成がもっとも肝要である」

 

 

「いう迄もなく銀行というものは実に一国の産業の発展を助けるところの機関である」

 

 

「どんな業であろうとも、自分はその業の第一位の人となろうという心掛けと覚悟とは是非なければならぬのである」

 

 

「事務の進行の基礎となるものは、帳簿の整理であって、これが仕事を機敏にはかどらせる上について最も大切な点である」

 

 

「十分に善いと信じた事業には必要なだけ投資してやり、その経営を完成せしめ得るよう努力してやるのが銀行家の本分である」

 

 

「自分でこれは善いと思った事があれば必ず実行する、ただ見聞に止めておかずに必ず自ら試みた。思うに、貴賤貧富の岐(わか)るるところは実にこの一点で、この心掛けを持った者は必ず出世し、然(しか)らざる者は到底平凡で終わる」

 

 

「私のみるところ、天下広しといえども浅野ぐらいの仕事師はいない。浅野でなくては大きな仕事はできぬ」

注釈:安田が全面的に無担保で浅野総一郎の資金的な支援をした。これにより日本初の臨海工業地帯(神奈川県の京浜工業地帯)の工事が完成した

 

 

「事業の成功するか失敗するかの要素は、一にも人物、二にも人物、その首脳となる人物如何によって決まる。経営にあたる人物が満腔(まんこう)の熱心さと誠実さとを捧げて、その事業と共に倒れる覚悟でかかれる人か、否かだ」

 

 

「人物を見分けて貸すのだから担保を取る必要はない。人物が当を得ていれば、万難を排し、万難を凌いでも貸すものである」

 

 

「才能や経験も必要だが、それは枝葉にすぎない。要は熱心さと誠実さ、それに事業とともに倒れる覚悟で取り組む人がいれば成功する」

 

 

【出典一覧】

『富の活動』安田善次郎

『明日を創った企業家の言葉』中江克己

『名言物語 人生の極意、経営の勘どころ』青野豊作

 

 

【感想・論評・補足】

明治34年(1910年)、破天荒な大事業を計画した実業家がいた。神奈川県の鶴見川の川口から川崎沿岸にかけて浅場を埋め立てて一大工業地を造成しようという常軌を逸した計画である。この実業家の名は浅野総一郎浅野財閥創始者)。世間はまた『浅野の大ボラが始まった』とせせら笑った。しかし、安田だけは『浅野ほどの仕事師はいない』といい、世間は『浅野に金を貸すのは大金をドブに捨てるようなもの』と酷評したが、安田は浅野という人物を信頼し無担保で資金的支援をした。この安田の支援があり、日本初の臨海工業地帯(神奈川県の京浜工業地帯)の工事が完成した。この京浜工業地帯を走る鶴見線に『安善駅』『浅野駅』という駅名があるが、安田善次郎浅野総一郎の名前から付けられた駅名である

 

 

経歴(プロフィール)

 安田善次郎(やすだ・ぜんじろう

1838年~1921年】日本の実業家、銀行家。安田財閥創始者安田銀行(後のみずほフィナンシャルグループ)、損害保険会社(後の損保ジャパン)、生命保険会社(後の明治安田生命)、東京建物などを設立した