村橋勝子
村橋勝子 名言・語録16件
(社史の第一人者)
「会社の特色は、創業をはじめ、その歴史に表われる」
「社史は『堅苦しくて面白くない』『豪華だが、内容は自慢話ばかり』『厚くて読む気がしない。昼寝の枕がわりにしかならない』といわれる」
「そんな『悪口』も実際に読んでの感想ではなく、読まず嫌いの偏見でしかないのではないだろうか」
「社史を読んでみると『こんなことありえない!』と思わず叫びたくなるような意外な話、『へええ、そんな見方があったのか』という興味深いエピソードがいっぱいある。まさに『事実は小説より奇なり』である」
「少なくとも、創業期の部分はどの社史も面白いし、NHKの人気番組『プロジェクトX』に勝るとも劣らない感動的な話をいくつもみつけることができる」
「ワクワクするのは、『どのようにして、何を目的に、この会社はできたか』を語る創業期の部分である」
「どの社史も、創業期は面白い。夢を持ち、理想に燃え、それを実現したドラマに満ちており、読者に大きな感動と静かな勇気を呼び起こす」
「どの会社も、出発のときは夢と希望があった。創業者の情熱や使命感、理想に触れ、それを思い出して生きていってほしい」
「社員であれば、創業の発想・契機・信念を知ることで、自身の精神や行動の規範とすることができる」
「一つの会社について、社史ほどまとまった系統的な資料はほかにない。社史には、数多くの資料的意義がある」
「新聞や雑誌などを通じて提供される資料・情報は、おおむね断片的・一時的なものである。これに対し、社史は会社の全側面にわたって、総合的・永続的な情報を提供してくれる」
「しかもそれは、社内資料に基づき、会社自身の責任において提供する自発的な情報開示であるから、企業の最新情報の分析にも非常に有益なのである」
「日本の社史、特に、リーディング企業や独占的企業の社史は、業界史を兼ねている。たとえば、『住友信託銀行五十年史』(1976年)は、日本の信託業発展史を兼ねているし、『日本生命百年史』(1992年)や『朝日生命百年史』(1990年)は生命保険業の歴史でもある」
「歴史の長い企業や生活密着型の企業の社史は、文化史や風俗史の研究所に勝る情報を提供してくれる」
「地方の新聞社や放送局、私鉄、ガス、電力、地方銀行など、特定の地域でビジネス活動を行い、地域住民との関わりが深い企業の場合は、地方経済史ともなっている」
「社史は、企業戦略の具体的な事例集であり、企業経営を学ぶ際のケーススタディの宝庫である」
【出典一覧】
『社史の研究』
『カイシャ意外史』
『情報便利屋の日記』
【感想・論評・補足】
一般的に社史は読まれない『書物』の代表のように思われているが、社史に関する研究で日本国内の第一人者である村橋は『社史』の魅力を分かりやすく解説する。社史の創業期は創業者の伝記でもあり、その企業を知るための情報の宝庫であることが、村橋の書籍を読むと分かる。『社史』はビジネスマン必読の書であるといえよう
経歴(プロフィール)
■村橋勝子(むらはし・かつこ)
日本の研究者。社史に関する研究では日本国内の第一人者。経済団体連合会(経団連)図書館部調査役、年史グループ長、情報メディアグループ長を歴任。(2001年~2012年)大妻女子大学非常勤講師を兼任