高杉良
高杉良の名言・語録7件
(小説家)
「経済小説の生命線はリアリティに尽きる」
「実名小説の場合、『これは小説です』と断っても、いつしか僕が書いたことが独り歩きしてしまうことが多いんです。すべてが事実だったかのように」
「これは実名小説の辛いところです。この『小説日本興行銀行』についていえば、9割は事実ですが、残りの一割はフィクションです」
「中山さんは95%は事実だと言ってくれましたが、会話などはすべて僕が創作しているわけですし」
注釈:中山は中山素平(日本興業銀行頭取歴任)のこと
「いろいろな人が昭電疑獄を書いていますが、僕はこれ以上正確なものはないと自負しています」
「合併というのは、ひとつの大事業なんですね。それだけに、大きなドラマがある」
「一勧の場合は成功した合併例でしたが、それにしてもいいことずくめではない。D(第一)だ、K(勧業)だと張り合ったり反発したりする。それぞれ違う文化をもった企業が合併するわけですから、融和していくのは非常にむずかしいことです。そのあたりから生じるドラマなど、さまざまなかたちのドラマを描いたつもりです」
【出典一覧】
『日本企業の表と裏』角川文庫
『市場原理主義が世界を亡ぼす!』徳間文庫
【感想・論評・補足】
高杉が企業小説を書くにあたって重きを置いているのは徹底した取材によるリアリティである。事実にこだわり、書き進めていくのが高杉の小説の作法。アポ取りもアシスタントや出版社に任せず、直接、全部自分でやるという。銀行を書くのであれば、銀行員が読んで納得がいくものを書く。その業界の人が読んで納得するものでなければ書かない。だからこそ高杉の作品は多くの人から指示されるのだろう
経歴(プロフィール)
■高杉良(たかすぎ・りょう)
日本の小説家。ビジネスマン小説の巨匠として知られる。本名は杉田亮一1939年1月25日生まれ。東京都出身