山内昌之 名言・語録3件
(歴史学者)
「自分の関心のある現代史のなかで、戦後史や現代社会を経済という側面からどうえぐるか、そこをひとつのポイントとして見たときに、私が第一に挙げたいのは『小説日本興行銀行』です」
注釈:『小説日本興行銀行』は高杉良の作品
「『小説日本興行銀行』は早くから読んでいました。私は経済学を専門的に勉強したことのない人間ですが、歴史をやっている人間として、戦後復興とか日本の高度成長のプロセスをイメージしておきたいと考えたときに何冊かの小説にもあたったことがあります。そのなかに、城山三郎さんの『小説日本銀行』や高杉良さんの『小説日本興行銀行』があったわけです」
「歴史家や経済史家には、資料の関係で必ずしも描けない部分があります。その空白部を乗り越えるのが小説家の仕事だと思うのですが、そういう意味でも(小説日本興行銀行は)意義深い作品です」
【出典】
『日本企業の表と裏(高杉、佐高、山内対談)』
【感想・論評・補足】
山内は歴史学者であるが、経済のことは素人だからと、高杉良の作品を愛読している。研究者は『専門バカ』になりがちであるが、山内のように知らないことは小説も読んで学ぶ。この謙虚さが素晴らしい。高杉の正確な取材力と徹底した調べ方、そこを高く評価しているという
経歴(プロフィール)
■山内昌之(やまうち・まさゆき)
日本の研究者。歴史学者。専攻は中東・イスラーム地域研究、および国際関係史。東京大学名誉教授、武蔵野大学特任教授。1947年8月30日生まれ。北海道札幌市の日本国有鉄道職員の家に生まれ、小樽市で育つ