荻正道
荻正道 名言・語録5件
(経営ジャーナリスト)
「松下幸之助氏はきわめて人間臭い経営者でした。その人間の魅力にひかれて多くの人が志を同じにして、今日の松下電器を作ったといっていいと思います」
「彼が編み出した経営手法の多くは、経営者としての全人格を賭けた指導力がないかぎり有効なものになりえないのです」
「大量の人員削減も、大規模な組織変更も、やらざるを得ないときにはやるしかありません。幸之助氏もやるべきときに、やるべきことをやった経営者なのです。ただ、注目すべきは、幸之助氏の場合は、リストラのあとに事業の飛躍があることです。いわゆる『V字回復』を必ず実現しているのです」
「松下電器第5代社長となった森下氏の登場こそ、松下の経営史の中で決定的な転機となりました。それまでの松下の社長は、事業部長を経験し、その経営において少なくとも著しい成果をあげた人物の中から選ばれるのが不文律だったのです。しかし、森下氏はそうではありませんでした」
「幸之助氏が築いた系列販売店である『ナショナルショップ』が、どれほど有効に家電業界の高度成長時代に機能したかについては既に見た通りですが、その盤石の販売網も、昭和50年代に入ると、台頭してきた量販店に押されて急速に力を失っていきます」
【出典】
【感想・論評・補足】
松下幸之助はリストラをしたことがないと思われがちだが、それは事実に反する。戦後にGHQから「制限会社の指定」「持ち株会社の指定」「財閥家族の指定」「公職追放」等、7つの制限を受け、やもえず大幅な人員整理を行っている
経歴(プロフィール)
■荻正道(おぎ・まさみち)
日本の経営ジャーナリスト。評論家。1948年、京都市で生まれる。神戸大学経営学部卒業。大手広告代理店に勤務。一時、松下電器関連会社で働く。出版社編集員の後、業界紙等でライターとして活躍