西村政太郎

西村政太郎　名言・語録2件

（不二製油創業者）

「裏道に徹すれば、いつか表の道になる」

「途中で何度か撤退が議論されたが、創業当時の精神を思い出して踏み止まった。人と違うものを作れをスローガンに裏道ばかりを歩いてきたが、これがいつのまにか表の道に変わった」

【注釈】大豆から油脂分を取ったあとの搾りカスは家畜の餌や肥料に回されていたが、この搾りカスの半分を占める良質な植物性タンパク質を、食品として売り出せないかと取り組んだのが、同社の看板商品となる大豆タンパク質であった。すぐに製品化は出来たが、大豆タンパク質を使ったハンバーグやスポーツ飲料などが市場に出回り黒字化のメドがついたのは30年後のことであった 

【出典】

『成功の思考 名経営者77人の発想』梶又彦

【感想・論評・補足】

西村政太郎が不二製油を創業したのは1950年。後発企業やベンチャー企業が勝ち残るにはニッチ市場を狙うしかない。既存の市場に乗り込んでも、信用も人も資金もある大企業がいるので勝ち目はない。ベンチャー企業が勝てるのは大手企業が参入していないニッチ市場で絞り込み、一点に集中。堅い板を錐（きり）で穴をあけるごとく、自らマーケットを切り開く。これしかない。大豆タンパク質はその好例といえよう

経歴（プロフィール）

■西村政太郎（にしむら・まさたろう）

【1913年～2006年】日本の実業家。不二製油の実質的創業者。滋賀県出身。九州帝国大学法文学部経済科卒業と同時に伊藤忠商事に入社。1950年、不二製油株式会社に入社、常務取締役に就任。同社の2代目社長に就任