速水融
速水融の名言・語録1件
(歴史人口学者)
(歴史人口学者)
「驚くべきことに、このスペイン・インフルエンザについて、(これまで)日本ではそれをタイトルとした一冊の著書もなく、論文すらごく少数あるに過ぎない」
【注釈】
チャーチル(イギリス首相)の言葉に『人間が歴史から学んだことは、歴史から何も学んでないということだ』というのがあるが、今から約100年前、第一次世界大戦の最中にスペイン風邪(スペイン・インフルエンザ)のために世界中で5億人が感染し(当時の世界人口の4分の1程度に相当)、多くの死者を出した。日本でも40万人以上の死者を出したとされる。『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』の著者、速水は、危機的な大惨事であったのに日本では数年後の関東大震災により記憶の片隅に追いやられたと指摘する
【感想・論評・補足】
今から約100年前、第一次世界大戦の最中に広まったスペイン風邪はアメリカのデトロイトやサウスカロライナ州付近などで最初の流行があり、アメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、世界中に広まったとされる。歴史の教訓として学ばなければならないことは、この恐ろしい感染症のことだけではない。この後、世界の覇権国がイギリスからスペイン風邪発症国とされるアメリカに移ったことである。今回の新コロナウィルスの発症は中国の武漢とされる。世界中に迷惑をかけたにもかかわらず、皮肉ではあるが、新コロナウィルスが収まる頃には、いよいよ覇権が中国に移ることになるだろう。いち早く収束させた中国が経済を建て直し、アメリカがダメージを受けている間に一気に台頭することは大いにありえる。日本は戦後、安全保障はアメリカに全て丸投げしてきたが、これからも日米同盟堅持を強化するだけで本当にいいのか、他の選択肢を今のうちに真剣に考えなければならない