名言・語録・格言

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孫崎享

孫崎享の名言・語録11件
(外交官、国際情報局局長)
 
 

「現場に行け、現場に聞け」
 
 

「情勢判断を行う者にとって、『今日の分析は今日のもの。明日は豹変する』はつねに念頭におくべき教訓である」
 
 

「今日の分析が完璧であることには自信をもってよい。その努力はすべきである。しかし同時に、『今日の分析は今日のもの。明日は豹変する』、この謙虚さをもつ必要がある。これが30年以上、情報分野に従事した者の教訓第一である」
 
 

「情報収集で貴重な情報は、公的な意見交換だけで得られるわけではない。カクテル・パーティーや食事の席上でしばしば出てくる。公式意見交換はメモとして保存されるのを前提とする。機微な情報は、通常この場で出てこない。十分証拠はない、しかしこの動きは注目する必要があるというのは、パーティなどの場で出てくる」
 
 

「情勢分析は分析で終了するのではない。情報は政策に反映させることを目的とする。政策に反映できなければ意味がない」
 
 

「情報を論ずるとき、多くの場合『どう情報を収集するか』や『どう分析するか』が主題となる。しかし、『どう伝えるか』は、それに劣らず重要である」
 
 

「外交では総理官邸、外務大臣、次官、外務審議官、局長が政策決定に関与する。情報がこのレベルに達しなければ、死んだ情報となる」
 
 

「第二次大戦終結後、日本人が不意をつかれた世界情勢は多々ある。1971年7月、米国は突然、ニクソン大統領の中国訪問を発表した。第一次ニクソン・ショックである。さらに変動為替相場制への移行も突然、発表した。第二次ニクソン・ショックである」
 
 

「日本政府は、同盟国米国が次々と打ち出す通告を事前に知らない。『外務省の情報収集能力はどうなっているのだ』という激しい非難が出た。さらに1989年11月のベルリンの壁の崩壊も、外務省は予測していなかった」
 
 

「不意をつかれた事件は数多くある。そのなかでも、1973年10月のオイル・ショックは国民を大混乱に導いた」
 
 

「第二次大戦前の日本の諜報組織は、かなりの水準に達していた。私は『自分の義父は汪兆銘(日本との和平に前向き)の政治顧問をしていた』という旧軍将校に会った」
 
 

【出典】
『情報と外交』
 
 

【感想・論評・補足】
戦後、日本の外務省はニクソン・ショック、オイル・ショック、ベルリンの壁崩壊など、世界的な大事件をほとんど予測出来ずにいる。日本のインテリジェンスは極めて低レベル。このことは戦後、アメリカに安全保障を丸投げしてしまったことが大きな要因となる。孫崎はこのことに大きな危機感を感じている数少ない日本人の一人である
 
 

経歴(プロフィール)
孫崎享(まごさき・うける)
日本の外交官、評論家。ウズベキスタン駐箚特命全権大使。外務省国際情報局局長。イラン駐箚特命全権大使防衛大学校人文社会科学群学群長。東アジア共同体研究所理事・所長。1943年7月19日、満州国奉天省鞍山市で生まれた