ロバート・ボウイ
ロバート・ボウイの名言・語録1件
(ハーバード大学国際問題研究所初代所長)
(ハーバード大学国際問題研究所初代所長)
「インテリジェンスとは行動のための情報(information)である」
【出典】『情報と外交』孫崎享
【感想・論評・補足】
外務省で国際情報局局長を務めた孫崎享は、著書『情報と外交』の中で、ロバート・ボウイの「インテリジェンスとは行動のための情報である」は「インテリジェンスとは何か」についての名言だという。行動に役立たない情報は単なるインフォメーションに過ぎない。行動に役立って初めてインテリジェンスといえるという。戦後日本は、1971年の突然のニクソン大統領の中国訪問、さらに変動為替相場制への移行。1973年のオイル・ショック。1989年のベルリンの壁崩壊など、国際的な大事件をことごとく予測が出来ず、外務省の情報収集能力はどうなっているのかと激しい非難を受けてきた。しかし、孫崎は全てが察知出来なかったわけではないという。ニクソン大統領の中国訪問を事前に、「米中が接近する」と予測したグループが外務省の中であったが、当時、米中関係に責任を持つ駐米日本大使館や本省の中国課が、「米中接近はありえない」と、無視したためこの情報が活かされることがなかった。ベルリンの壁崩壊も直前に岡崎久彦(外務省情報調査局長(初代)が「東欧で何かが起こる」と安倍晋太郎外務大臣に進言したが、「まだ何も起こっていない」と一蹴され、政策に活かされることがなかった。一級の情報も行動に繋がらなければ単なる死んだ情報になる。日本の情報機関が弱い最大の原因が行動に繋がらないところにあるかもしれない