名言・語録・格言

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真田幸光

真田幸光の名言・語録13
(国際金融経済学者)

 


「私は、日本は、アメリカに振り回されない国になるべきだと考えています。いや、アメリカだけでなく、中国やロシアや、世界のどの国に対しても自立できる国になるべきだと考えています。ドルの基軸通貨が崩壊しても、欧州危機が起きても、揺るがない国に、経済的にも、政治的にもなるべきだと考えています」

 


「私の先祖である真田昌幸(幸村の父親)が、信州の小さな国を、上杉謙信武田信玄徳川家康から守って、長男の真田信幸に残し松代藩になったように、世界の荒波に耐えうる国に、日本はなれると信じています」

 


「真田も小国でした。だからこそ、頭を使い、相手の腹を探りながら、時には敵味方に分かれながらも、明治の廃藩置県まで生き抜いてきたのです。日本も世界の大国に比べれば小さな国です」

 


「そのためには、まず日本の特性たる『ものづくり』の力を再興、拡大、強化するのが肝心であると考えています」

 


「私は、東京銀行に勤めていた1992年に、のちの総理大臣の細川護熙氏の側近の方から新党を作らないかと誘われました。細川━真田の武家ラインで政権を取らないかということです。しかし、周囲、特に真田家の反対と資金面の問題があり、しぶしぶ断ったのです」

 


基軸通貨を握ることが世界を支配すること」

 


「100ドル紙幣を作るのにかかるコストは20セントくらいと言われています。100セントが1ドルですから、100ドル紙幣をすることで500倍の富を生み出せるのです」

 


基軸通貨を握り、通貨を刷れば刷るほど、モノを世界中から購入できます。アメリカ人が、借金をしてもモノが買えるのは、これがあるからです。輸入したモノの代金を払えといわれたら、輪転機を回してドル紙幣を作ればいいだけです」

 


基軸通貨になることは、貿易の決済がドルで行われることを意味します。ドルの決済はアメリカの金融機関を通すことになります。どこの国がどこの国から何を輸入・輸出したかが丸見えになります」

 


「国際貿易の60%の決裁が『アメリカの銀行』を通して行われるということは、国際貿易の60%に関してアメリカの銀行は手数料を取れるということです。これは馬鹿にできない額になるはずです。そして、もっと大切なことは、アメリカの銀行は世界で行われている貿易の60%の情報を握っているということです」

 


「どこの国のどの会社が、どこと取引しているのか。そのあがりはいくらなのか。すべて把握できるわけです。どの国がどんな事業で金を必要としているのか、そういうこともお金の動きからトレースできます」

 


「決済を止めることで、その国の貿易を事実上、相当程度ストップさせることができるのです。ある国の生殺与奪を握ることが可能です」

 


「いままでに、大きく基軸通貨が変わったことは一度しかありません。スターリングポンドから米ドルに変わった時だけです」

 


【出典一覧】
『ドル崩壊、アジア戦争も探る英国王室とハプスブルク家
『世界の富の99%はハプスブルク家と英国王室が握っている』

 


【感想・論評・補足】
細川護熙氏の側近から新党設立の誘いを受けていたとは知らなかった。また、真田の著書を読むと国際金融のカラクリが面白いように分る。例えば日本がメキシコから石油を輸入するとする。当然購入代金としてメキシコにお金=ドルを支払うのだが、直接メキシコの銀行に振り込むわけではない。日本の会社は、取引のある日本の銀行にメキシコの会社が取引している銀行に購入代金を支払うよう要請する。しかし、要請を受けた日本の銀行は、直接メキシコの銀行に支払うわけではなく、メキシコの銀行が口座を持つアメリカの銀行に、日本の銀行が口座を持つ口座から、輸入代金の振り替えをお願いするのだという。つまりドル決裁の場合は、必ずアメリカの銀行が仲介することになる。そこでアメリカの銀行は仲介手数料が入るだけではなく、どういうモノをどれだけ取引されたかも把握が出来る。さらにアメリカ政府がアメリカの銀行に『口座の決裁をするな』と命ずれば、支払ができなくなり取引はストップする。経済制裁も簡単に行えるというわけだ。基軸通貨を握った国がどうして有利なのかが手に取るように分る。

 


経歴(プロフィール)
■真田幸光(さなだ・ゆきみつ)
日本の国際金融経済学者。専門分野は韓国・台湾・中国・モンゴル・ベトナム北朝鮮を中心とする東アジア地域経済と国際金融。愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授。1957年、東京都で生まれる。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)へ入行