荒俣宏
荒俣宏 名言・語録9件
(作家・博物学者・博覧強記)
「頭から全部丸かじりという大蛇のような勉強で、見えてくる世界がある」
「南方熊楠がそうです。彼はぶち当たるもの全部が面白いから、たとえば事典を引いてオーストラリアの動物『コアラ』を知りたいというときも、ダイレクトに『コアラ』を引かない。まずオーストラリア大陸の成り立ち、民族の歴史、イギリスの植民地時代のこと、オーストラリア先住民の言語や民族、そして自然環境といったことを調べながら、『コアラ』までたどり着く。でも、それがこの人にとっては一番楽しいコアラの調べ方なのです」
「ぼくは子供のころ図鑑が大好きでした」
「ぼくの父親は、スポーツ新聞ぐらいしか読みませんでした」
「ぼくの家は職人の家だったから、まったく本がありませんでした」
「あるとき近所の貸本屋さんに行ったら、店中本だらけだった」
「『えっ、こんな世界があるのか』と思って、一個一個探したくなったのです」
「収集癖の始まりは所有欲であって、そういう『自分の手元にない』という欠如感がコレクションのエネルギー源になっていると思います」
「本とか知的な刺激があまりない環境だったからこそ、ぼくはかえってそういうものに執着するようになったのです」
【感想・論評・補足】
荒俣宏の魅力といえば博覧強記。幼少の頃から本に囲まれて育ったのかと思いきや、意外にも両親は本をあまり読まず、家には本はなかったという。知の巨人と言われ、蔵書15万冊以上だったという渡部昇一(英語学者。評論家。上智大学名誉教授)も母親は字が読めず本を読む人ではなかったという
※出典『荒俣宏 王様の勉強法』
経歴(プロフィール)
■荒俣宏(あらまた・ひろし)
日本の博物学者、図像学研究家、小説家、収集家、神秘学者、妖怪評論家、翻訳家、タレント、玉川大学客員教授、武蔵野美術大学造形学部客員教授。博覧強記で知られる。1947年7月12日、東京で生まれる