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福澤桃介

福澤桃介 名言・語録7

(実業家)

 

 

「私は貧乏人の家に生まれたから、富者に対する反抗心が強く、金持ちになって金持ちを倒してやろうと実業界に発心した」

注釈:桃介は貧乏な家だったので靴を買ってもらえず裸足で学校に通う。そのことを学友に笑われたという

 

 

「世の中の金持ちは、偶然今日の結果を得たくせに、賢こぶってホラを吹く。先見の明とは真っ赤のウソだ」

注釈:桃介の反骨精神。独立自尊の心意気が滲み出ている

 

 

「まず、事業の整理とか、算盤の明るい点において、日本で一番偉いのは荘田平五郎(三菱の大番頭)という人だ」

 

 

「この人くらい数字的にはっきりとしたたしかな頭の持主は、戦後を通じて、ひっちゅうするものがあるまい。三菱が今日のごとく、盤石の安きに置いたのは、岩崎弥太郎という人の力、ならびに当主久弥、これもまた立派な人であるが、荘田の力も与って大きいのである」

 

 

岩崎弥太郎は粗放磊落の人のように見えるかも知れぬが、その実きわめて頭の緻密な人で、すべての計画は決して計数を離れなかった。かつ、無駄のことが大嫌いで、社内を往復する状袋は、一度使った古紙を裏返して使えとつねづね三菱の社員にいい聞かせたほどであった。近藤廉平が、会社の用紙を私用に使ったといって、大変怒って罰棒を食わしたのは有名な話である」

 

 

「四国の南端、薩摩嵐のそよ吹く土佐の国は、我が財界に2大偉人を送った。一は岩崎弥太郎、一は金子直吉だ」

 

 

「金子は我が財界におけるナポレオンに比すべき英雄だ」

 

 

【出典一覧】

『財界人物我観』福沢桃介

『出世を急がぬ男たち』小島直記

 

 

【感想・論評・補足】

昭和4年頃に執筆した『財界人物我観』では15人の実業家を批評しているが、安田善次郎岩崎弥太郎など、大金持ちになった人の共通項は大の倹約家であったと述べている。貧乏な提灯屋の家に生まれ、子供の頃は『金持ちになって金持ちを倒してやる』と言っていたのに、実に冷静な分析をしているところが面白い。また鈴木商店の大番頭、金子直吉を『我が財界におけるナポレオンに比すべき英雄だ』と評価したことも大きな功績である。桃介のこの評価がなければ、金子の功績が後世に伝えられることもなかったかもしれないからだ

 

 

経歴(プロフィール)

■福澤桃介(ふくざわ・ももすけ)

1868年~1938年】明治から昭和初期にかけて活動した日本の実業家。相場師として日露戦争後の株式投機で財を成し、その後実業界に転ずる。大同電力の初代社長。『電気王』『電力王』と呼ばれた