佐藤悌二郎
佐藤悌二郎の名言・語録6件
(PHP研究所専務を歴任)
「人間の事蹟は、時とともにベールに覆われ、ときに虚偽があたかも事実のように一人歩きしてしまう。世に偉人伝、逸話集は多いが、それらのなかに事実と異なる記述も少なくないのはよく知られるところである」
「物語ならそれもよかろう。しかし、研究者としては、これを座視することは許されない。やはり可能なかぎり事実を究明し、錯誤をただしていくのが研究者の社会的責任であろう」
「松下幸之助にとって、『事業は人なり』ということは、単なる観念ではなく、血肉化した信念となっており、そこには、従業員を単なる道具としてではなく、わが子、わが家族とみる家族主義(こうした考えが出てきた背景としては、幸之助自身が幼少のおり家族に恵まれなかったことが一つ考えられよう)、さらには人間大事の考え方が根底にあったということができる。もちろんそれは幸之助の人間観、人生観、経営観に根ざしたものであったわけである」
「幸之助の経営を一言でいうと、何が自然の理法に従うことなのか、何が正しいことなのかを考えて、それを実践したことです」
「広告宣伝には経営者みずからが心をこめてあたるべきだという幸之助の信念は、会社がどんなに大きくなっても変わることはありませんでした」
「いつもあげているのは次の3つです。◎確固たる経営理念を確立して、従業員、お得意先、関係先に浸透させることを貫いた。◎何が正しいか、何が自然の理法に従うことなのかを考えて、真理に従おうとした。◎人間の本質をしっかり押さえ、本質にあった経営をした」
【注釈】松下幸之助がなぜ成功したかを聞かれて答えているのが上の3つ
【出典一覧】
『松下幸之助に学ぶ 判断力』共著
『松下幸之助に学ぶ希望の哲学』共著
『松下幸之助の生き方 人生と経営77の原点』
『松下幸之助 成功への軌跡 その経営哲学の源流と形成過程を辿る』
【感想・論評・補足】
佐藤悌二郎はPHP研究所に入社以来、35年もの長きにわたり一貫して松下幸之助の研究、編集に従事した希有な存在である。膨大な松下幸之助の発言、資料を整理、編集してくれたことに敬意を表し、感謝を申し上げたい
経歴(プロフィール)
■佐藤悌二郎(さとう・ていじろう)
株式会社PHP研究所専務を歴任。新潟県生まれ。1980年、慶應義塾大学文学部卒業後、株式会社PHP研究所に入社。研究員としてPHP理念および創設者松下幸之助の経営観・人間観等の研究に従事した