下田次郎の名言・語録4件
(女子教育家)
「国が衰滅するのも国民が白蟻(しろあり)となって内から柱を喰って行くから僅かの風にもたおれるので、昔から敵に亡ぼされた国は一国もなく皆内(みなうち)から自滅の手続きを念入りに講(こう)じた結果である」
【注釈】旧字体は現代の字体に変換
「婦人の仕事は一向派手ではないが国家の盛衰とは非常に関係がある。『ナポレオン』は他国と戦争する前に先づその国の婦人の様子を調べたといふ事である。さすがはその着眼も卓抜である」
【注釈】旧字体は現代の字体に変換
「婦人が強固なる意志鍛錬されたる能力を有し勤勉質素で艱苦に堪へる国は時の平戦を問はず決して他に引けを取る国ではない」
【注釈】旧字体は現代の字体に変換
「今後は正義と自由といふ事が国際に行はれて戦争も無くなる事を望むが平和の事業にも競争は免れぬのであるから国家の隆昌(りゅうしょう)を図るにはどうしても堅実にして実力ある国民を養成せねばならぬ。それには第一、母たるものが確(しっか)りして、三つ子の魂から作り上げて行かねばならぬと思ふのである」
【注釈】旧字体は現代の字体に変換
【出典】『國の女』芹澤登一(編)
【感想・論評・補足】ナポレオンが戦争する前に敵国の婦人を調べていたとは知らなかった。また下田が女子教育に力を入れたのは国家の盛衰を担うのが婦人であるからであった。
経歴(プロフィール)
■下田次郎(しもだ・じろう)
【1872年~1938年】日本の女子教育家。文学博士。日本の女子の教育程度を高め、日本全体の女子の教育の振興に大きな功績を残した人物。元広島浅野藩士多羅尾家に生まれた。