名言・語録・格言

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平田雅彦

平田雅彦の名言・語録3
松下電器産業副社長)

 


「私は、松下電器経理担当役員になって以来、毎月一度は松下幸之助創業者のところに出かけ、決算を通して近況を報告するのが習わしとなっていた。平成元年(1989年)3月、私はいつものように出かけた。創業者はベッドに横たわっていた。いつもはいろいろと質問が出てくるが、その日は黙って最後まで聞いてくれた。そして私の話を聞き終ったあと、『平田君、松下の従業員は幸せに働いているか』と問うた。私は意表をつかれた答えに迷ったが、『全員とはいえませんが、多くの人たちは幸せに働いていると思います』といった。それが松下創業者からいただいた最後の言葉になった。初めはなにげなく聞いた言葉であったが、その言葉は時間がたつにつれ、私に重たくのしかかってきた。その一ヶ月半後に創業者は亡くなられた」

 


「『従業員は幸せに働いているか』創業者がもとめたもの、それこそが経営の究極の課題ではないのか。従業員が幸せであるためには、まず利益が出ている会社でなくてはならない。次いでお客さまをはじめ周囲の皆さんから支持される会社でなくてはならない。そして何よりも経営者たちと従業員の心が通い合った会社でなくてはならない」

 


「日本企業の特徴は、現場を支える人たちの強さにあった。上からのマニュアルによって、与えられたものだけをこなすのではなく、各人それぞれが主体性をもって仕事にあたり、仕事の主役として、自己のマネジメントを果たす貴重な素質、伝統、文化があった」

 


【出典】
『企業倫理とは 何か』 

 


【感想・論評・補足】
松下幸之助は、赤字は罪悪と厳しかったが、それも従業員の幸せを考えてのことだといえる。そして松下は松下電器の幸せよりも国民の幸せ、人類の幸せを願った人であった

 


経歴(プロフィール)
■平田雅彦 (ひらた・まさひこ)
日本の経営者。松下電器産業株式会社副社長歴任。1931 年、福岡県で生まれる。一橋大学商学部卒業。著書『二人の師匠松下幸之助と高橋荒太郎』(東洋経済新報社)、『企業倫理とは何か石田梅岩に学ぶCSRの精神』(PHP新書)など