ジェフリー・ジョーンズ
ジェフリー・ジョーンズの名言・語録6件
(ハーバード大学。経営史)
「ヨーロッパなどの企業とくらべて特徴的なのは、日本企業が極めて長く存続することです。この長寿企業が多いという現象は日本独特のものです。私が知る限り「老舗」という言葉があるのは日本語だけではないでしょうか。他の国の言葉で、長い歴史を持つ企業やお店を示す単語があった例は思いつかないですね」
「金鋼家には、『後継者を実力主義で選ぶ』という家訓がありました。長男が継ぐということにこだわらず、次男や孫、さらには養子や女性も継承者として選んできたのです。その結果、この会社のDNAはどんどん強くなっていきました」
「ファミリービジネスが破綻する最も大きな要因は、有能ではない人材が家業を承継してしまうことです。さらに、後継者問題は、時として同族間の争いへと発展し、企業そのものをダメにしてしまうこともあります。創業家が後継者問題にうまく対処できれば、その企業は長続きできる可能性が高いのです」
「金剛組は創業から明治維新までの約1300年間、四天王寺の再建と補修を主要なビジネスとしてきましたから、四天王寺が存続する限り、ビジネスも存続することができたのです」
「一般的に長寿企業は、どれだけ時代が変換しても、テクノロジーや文明が進化しても変わらないものをビジネスにしています。たとえば、日本でも刀や着物を商売にしていた会社は文明開化の波にさらされ、その多くが廃業してしまいましたが、人々の食文化が大きく変わることはありませんから、お餅や羊羹を売っている会社はそれほど影響を受けませんでした」
「同じようにヨーロッパの長寿企業の多くも、変化の波にさらされない食品、ワイン、宿泊施設等に関わるビジネスを営んでいます」
【出典】
『ハーバード日本史教室』佐藤智恵(著)
【感想・論評・補足】
老舗という言葉があるのが日本だけとは知らなかった。
経歴(プロフィール)
■ジェフリー・ジョーンズ
ハーバード大学経営大学院教授経営史部長。専門は経営史。グローバルビジネスの歴史と責務を専門に幅広く研究