ゲンナジー・ブルブリス名言・語録1件
「日本人が『北方四島が過疎の土地だからいらない』といっても、ロシアは日本に島を返さなければなりません。北方四島はスターリン主義のもとで、日本から盗んだ領土です。共産主義から絶縁し、『スターリン主義の残滓』と決別しようとしているロシアにとって、北方四島を日本に返すことがロシアの国益に適っている。なぜなら、北方四島を日本に返還することによって、対外的にロシアが正義を回復したと国際社会から認知されるからだ。たとえ日本人がいらないといっても、返さなければならないというのがロシア人としての正しい歴史観です」
【出典】
『北方領土 特命交渉』
【感想・論評・補足】
このブルブリスの発言は、1993年、日本に初来日したときに、ホテルニューオータニで鈴木宗男と朝食をしているときのものである。鈴木はこの言葉には正直驚いたという。『北方四島は日本のものだ』と口にした初めてのロシア高官だったという。しかし、今ロシアの高官で北方四島を日本に返還すべきと言う人はいないだろう。それどころか、色丹島、歯舞群島の二島すら返ってくるかどうか分からない。今考えれば、エリツィン政権のときが、最も北方四島が返ってくる可能性が高かったかもしれない
経歴(プロフィール)
■ゲンナジー・ブルブリス
ロシアの政治家。エリツィン時代前期の国務長官。同郷のエリツィンの側近として権勢を振るい「灰色の枢機卿」の異名を取った。ドイツ語に堪能である。1945年8月4日生まれ