小西新兵衛 名言・語録4件
(武田薬品工業3代目社長)
「和をもって貴しとなさず」
「衆知を集める、いろんな人の意見を聞くと言うことはもちろん、必要だが、高度の経営判断になればなるほど、最後はやっぱり責任者が火中の栗を拾う覚悟で決断しなきゃならない。それをコンセンサス方式に流され、3つの意見を足して3で割ったような結論を出しておったのでは企業経営は覚束ない」
「特に最近の若い人は皆、利口だから進んでリスクをかぶるような事はしない。それでは会社は沈滞していってしまう。正しい行き方と考えるならば『えげつない決断』もできるようでなければいかんと思うんですよ」
「タケダが純然たるメーカーになるためには、よその品物を扱って、その利益に安住しておるようではいかんのだ」
注釈:小西は繰り返し、役員や社員にこう訴えた
出典『タケダ、シオノギ、タナベ21世紀のサバイバル戦略』著者:加来耕三
【感想・論評・補足】
小西は6代目武田長兵衛(武田薬品工業2代目社長)に後継の社長に突然指名された。創業家出身でもなく、67歳と高齢でもあったので自分にはとても務まらないと最初は固持したが、長兵衛に説得されて社長を引き受けることに。タケダでは創業家以外の初の社長であった。ニクソン(第37代アメリカ合衆国大統領)は著書『指導者とは』で「優しいだけの人は、ほとんどの場合、権力の行使には向かない。指導者というのは、事を為すに当たって、時には獣的な非情さを必要とするものである」と述べているが、小西もニクソンが言うように『えげつない決断』を心がけていたことが分かる
経歴(プロフィール)
■小西新兵衛(こにし・しんべい)
日本の経営者。武田薬品工業株式会社3代目社長(1974年~1981年)。旧浦和高等学校卒業。東京帝国大学医学部に進学するが、医者の素質はあると思うものの、解剖が苦手で家業(医薬品メーカー)との関連も考え、薬学科を卒業。薬剤師の免許を取得