牧田與一郎
牧田與一郎の名言・語録1件
(三菱重工業3代目社長)
「なにが土光だ。東芝の社長になってずいぶんすました顔をしておるが、あんな男、ネコの皮をかぶった狼と一緒だよ。あいつのおかげで造船界のルールは滅茶めちゃになった。どんな手を使っても注文さえ取ればよい、というやりかたはアンフェアもよいところだ。企業エゴの固まり、安売り商法だけで会社がやっていけるのなら、誰だってそうしたい。しかし、人にはこれだけはやってはならんという道があるはずだ」
【注釈】若い経済記者だった池田政次郎が、牧田から直接聞いた『土光敏夫批判論』がこれだという。土光さんのことを悪くいう人も珍しいが、牧田は紳士ぞろいの三菱マンの中では異色の野人肌で、バイタリティーの固まり。三菱グループの、暴れん坊で有名であったとか。『ミスター合理化』ならぬ、『ミスター・ダンピング』と陰口を叩かれることがあった土光に対しても容赦がなかったのだろう
【出典】
『商魂石田退三・土光敏夫・松下幸之助に学ぶ』池田政次郎(著)
【感想・論評・補足】
土光敏夫(石川島播磨重工業社長、東芝社長、経団連第4代会長などを歴任)は、石川島播磨重工業時代は『受注なくして合理化なし、合理化なくして利益なし』というのが口癖で、事実、ソロバン勘定を度外視して注文を取ってくることがあったようだ。牧田はこのことを痛烈に批判した
経歴(プロフィール)
■牧田与一郎(まきた・よいちろう)
【1903年~1971年】日本の経営者。三菱重工業3代目社長。三菱グループを指導し、三菱自動車工業を設立。『牧田天皇』『横紙破り』『赤鬼のオマキ』などと呼ばれた