名言・語録・格言

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御厨貴

御厨貴の名言・語録2件
(政治史学者)

 

 


「国会議事堂には屋根裏部屋の如き四階がある。四階は国会図書館の分室で、本好きの議員がよく利用する。ここに小泉純一郎は一人でよく現れた。彼が求めたのは本ではなく人だ。衆議院側のエレベーターや階段から、図書室の廊下を通れば、すぐさま参議院側のそれに行ける。実は、小泉はここを通って参議院自民党幹事長青木幹雄を人知れずして訪れることができた。小泉による橋下派への衆・参分断工作は、まさに衆参相通ずる四階図書室の政治的効用に他ならなかったのである」

 

 


「『人物評論』の妙味は、舌鋒鋭く対象を完膚なきまでにこきおろすことにあるのではない。むしろ今を掘り下げるために、当人も思ってもみなかった美点を探りあて隠されていた選択肢を提示することに醍醐味がある。その意味で、『評伝』が静態的であるのに対し、『評論』はあくまでも動態的であらねばならぬ。これはこれで息の長い闘いと覚悟を決めている」

 


【出典】
『政治の眼力-永田町「快人・怪物」列伝』

 


【感想・論評・補足】
国会議事堂の図書室の廊下を通れば衆議院側と参議院側に人知れず通行が出来るとは知らなかった。首相官邸の5階に首相執務室があるが、同じフロアにある官房長官室、官房副長官室などとつながっているらしい。ここも誰にも知られることがない。政治は人間関係で動くが密室で決められるのは今も昔も変わらないのだろう

 

 


経歴(プロフィール)
御厨貴(みくりや・たかし)
日本の政治史学者・政治学者。専門は近現代日本政治史、オーラル・ヒストリー。東京大学東京都立大学 (1949-2011)名誉教授。東京大学先端科学技術研究センター客員教授放送大学客員教授。公益財団法人サントリー文化財団理事。1951年4月27日、東京都生まれ。祖父は戦前の貴族院議員で、検事総長や司法大臣を歴任した木村尚達