波多野鶴吉
波多野鶴吉 名言・語録10件
(グンゼ創業者)
「一生懸命、これが誠意である」
「心が清ければ、光沢の多い糸ができる」
「信用される人が、信用される糸をつくる」
「心に平和があれば、節のない糸ができる」
「品質の良否は、これを造る者の人格に伴う」
「心に油断がなければ、切断のない糸ができる」
「金さえあれば工場はいくらでもふやすことができるが、しかし人物がなくては何の役にも立たぬ」
「優良な生糸づくりも、会社の業績をあげることも、自ら修養し人格を高めて仕事にあたることが根本」
注釈:波多野の口癖
「誠意とは一所懸命の心である。小事をおろそかにしない。表裏がない。遅怠がない。約束を違えない。責任感もこれより出で、知恵もここから生まれる。成功の基礎である」
「大製糸会社を作り、輸出向けに優良糸を量産、高価格で販売すれば、繭(まゆ)も高く買い入れることができ蚕糸業も発展する」
【出典一覧】
『グンゼHP(波多野鶴吉の言葉)』
『われ、官を恃(たの)まず』吉田伊佐夫
『創業者列伝 一流企業に受け継がれる珠玉の経営手腕』冨森叡児
【感想・論評・補足】
波多野鶴吉をモデルにして書いた山岡壮八の小説『妍蟲記(けんちゅうき)』は『他人を喜ばせようと努力する人を他人が嫌うはずがなかった』とその成功を総括いている。また鶴吉は『至誠』という言葉を愛したが、この時代の経営者には『誠』や『正直』を根本に企業経営をしていた人が多いのではなかろうか。神戸製鋼所の実質的な創業者、田宮嘉右衛門は『至誠一貫』を精神の柱に会社経営を行った。森永太一郎(森永製菓創業者)も『商売は正直でなければ栄えません』と語っている。服部金太郎(セイコー創業者)は『正直は最善の商道である』と言っている
経歴(プロフィール)
■波多野鶴吉(はたの・つるきち)
【1858年~1918年】明治・大正期の実業家。郡是製糸(現グンゼ)の創業者。京都府蚕糸業組合頭取などを歴任。1858年3月27日、丹波国何鹿郡綾部町(現・京都府綾部市)の庄屋、羽室嘉右衛門(六代目)の次男に生まれた