名言・語録・格言

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浪花千栄子

 浪花千栄子の名言・語録3
(女優)

 


松下電器の社内報にのる対談のお相手に選ばれ、松下幸之助さんに、初めて親しくお目にかかる機会が与えられました」

 

 

「腰が低い、と申し上げるより、ちょっとしたおことばの端にも、人間味とやさしさがあふれていて、女である私のほうが終始恐縮のしっぱなしでございました。お話をうかがっているうちに、人間としての魅力は、随所に光りを放ち、なるほど、このかたなら、何千何万の人が、安心してすがっていけるはずだと存じました」

 

 

「そのときの私が感心しました話を、ひとり占めにしておきますのはもったいないので、ここに記さしていただきますが、松下さんが丁稚(でっち)をしていられた時代のこと、ある日、表のゴミを掃き寄せてちり取りに取って、ゴミ箱へ捨てようとすると、松下さんの御主人が、ちょっと待て、そのゴミを見せろと言ってとどめ、『それ、この紙くずや木くずはふろ場のたき口へ持って行け、ミカンの皮は日に干しておけ、そして泥や砂は元へもどしておけばなにもゴミ箱へ捨てるものはないではないか』と教えられたそうで、私は、ケチではないが、万事この教えを基調にして、会社経営をしてきたとおっしゃるのでした」

 


【出典】『水のように』 

 

【感想・論評・補足】
松下幸之助の哲学には人だけではなく、万物一切を生かすというのがある。そのルーツは船場での丁稚奉公にあるといっていいだろう

  

経歴(プロフィール)
浪花千栄子(なにわ・ちえこ
【1907年~1973年】日本の女優。本名は南口キクノ(なんこう・きくの)。昭和初期から中期(1920年代後半〜1970年代前半)に活動した